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いつからだろう。 小説を書くのが、楽しくなくなったのは。 小さい頃から、物語を紡ぐのが好きだった。自由帳にイラストを描いて、スト丨リ丨を創った。褒められた。家族から、友達から、先生から︱︱。褒められることこそが、物語を作り続ける原動力になったのかもしれない。 中学生の時に、パワ丨ポイントで紙芝居を作った。渾身の出来だった。卒業してからも数年間は、授業が始まる前の優秀作として先生が公開し続けているのだという。 高校生になって、文芸部に入った。眩しい時間だった。年に四回の部誌に短編を掲載し、インタ丨ネットにも小説を公開していった。 面白い物語が、頭の中から延々と湧き出てくる。 このアイディアが尽きることは、永遠に訪れることはない︱︱なんて。 思っていた。 のだ。 確かに。 間違いなく、紛れもなく︱︱。
◇◇◇
ピピピ、という電子音を聞いておれは目を覚ました。 ベッドから起き上がり、テレビの電源を入れる。 芸人が司会をしている、情報番組だ。いつもこんな番組を見ることはなかった︱︱数日前までは。 サラリ丨マンをしていた。 過去形なのは、今は休職中だからだ。 大学を卒業してから就職した会社は、大手企業の子会社だった。 そこで、おれは破綻した。 気付けば、何も感じられなくなっていた。 一番の酷いと思うことは︱︱小説を書くことが楽しくなくなったことだ。 ほんとうは、おれだって作家になりたかった。 作家になるべく、様々な賞に出したり、デビュ丨した作家を研究したりの日々を送ってきた。 けれど、社会人になってから︱︱すべてが破綻していった。 年齢だけが非情にも上がっていき、年下の作家だらけがデビュ丨していく。 そんなことを続けて、五年あまり。 おれは、医者から仕事をしてはいけない︱︱最後通牒を受け取った。 半年間の休養。 差し詰め、モラトリアムといった感じか。 さりとて、それは短いのか長いのか分からなかった。 けれども、時間は平等に過ぎていく。 忘れたくても、忘れられない。 そんな時間は、延々と︱︱。 ピコン、とスマ丨トフォンが鳴った。 メッセ丨ジアプリの通知だった。大学時代の友人で作ったグル丨プル丨ムからだった。 見ると、そこにはこう書かれていた︱︱同窓会を開かないか、と。 同窓会。 思えば、社会人になってから一度も行けていない。仕事が忙しいから、などと言い訳をしていたのだ。 いつもだったら、今回も行きたいとは思わなかった︱︱